一般内科外来でみる出血傾向 「ぶつけてないのにアザ!」にあわてない 血小板減少を生じる主な疾患の診断と治療
見逃してはならないほかの血液疾患
岡田 定
1
1聖路加国際病院 血液内科
キーワード:
Edetic Acid
,
骨髄異形成症候群
,
ウイルス性疾患
,
肝硬変
,
血小板減少症
,
出血性疾患
,
白血病
,
貧血-再生不良性
,
先天性疾患
Keyword:
Anemia, Aplastic
,
Edetic Acid
,
Hemorrhagic Disorders
,
Leukemia
,
Liver Cirrhosis
,
Myelodysplastic Syndromes
,
Thrombocytopenia
,
Virus Diseases
pp.235-239
発行日 2014年8月1日
Published Date 2014/8/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2014279908
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血小板減少症の成因は,(1)血小板産生低下,(2)破壊・消費の亢進,(3)分布異常,(4)その他(とくに偽性)の4つに大別できる.再生不良性貧血の早期では,血小板1系統だけが減少することがある.急性HIV感染症でも血小板減少をきたしうるが,非常に見逃しやすい.急性白血病では,正常造血の抑制と播種性血管内凝固症候群(DIC)によって血小板減少をきたす.骨髄異形成症候群(MDS)では血小板だけの減少はまれであり,多くは貧血を伴うか汎血球減少症を呈する.May-Hegglin異常などの先天性血小板減少症は,特発性血小板減少性紫斑病(ITP)と誤診されやすい.肝硬変による血小板減少症は,血液生化学検査が一見正常だと画像診断をしないとITPと誤診される.EDTA依存性偽性血小板減少症は頻度の高い病態で,ITPと誤診されやすい.
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