糖尿病治療のパラダイムシフト 糖尿病合併症に関する新たな展開
有痛性糖尿病神経障害の診断と治療
安田 斎
1
1滋賀医科大学 医学部看護学科公衆衛生看護学講座
キーワード:
質問紙法
,
三環系抗うつ剤
,
糖尿病性神経障害
,
末梢神経
,
アルゴリズム
,
Duloxetine
,
疼痛-神経因性
,
Pregabalin
Keyword:
Duloxetine Hydrochloride
,
Pregabalin
,
Algorithms
,
Antidepressive Agents, Tricyclic
,
Diabetic Neuropathies
,
Neuralgia
,
Peripheral Nerves
,
Surveys and Questionnaires
pp.45-49
発行日 2014年1月1日
Published Date 2014/1/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2014057535
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糖尿病神経障害に含まれる多くの病型は疼痛を呈しうる.そのなかでも慢性多発神経障害が高頻度で重要である.治療に際しては鑑別診断と確定診断が重要であり,第一歩は血糖正常化と生活習慣の改善である.疼痛改善薬の第一選択は,三環系抗うつ薬,pregabalin,duloxetineであり,選択薬剤の増量で無効の場合は,他の第一選択薬を使用する.2剤併用投与の有用性は確立していないが試みてもよい.今後,オピオイド製剤の有用性についての検討が待たれる.一方,急性疼痛をきたす治療後神経障害にも上記の後2剤は有効と思われるが,エビデンスには乏しい.糖尿病筋萎縮ではmethylprednisoloneのパルス療法や免疫グロブリン療法が奏効する場合があるが,治療法としては確立していない.
©Nankodo Co., Ltd., 2014