医療関連感染症 起こさないためにどうするか? 起きてしまったらどうするか?
医療関連感染症の疫学と市中感染症との区別
関谷 紀貴
1
1がん・感染症センター都立駒込病院 臨床微生物科(臨床検査科)
キーワード:
院内感染
,
細菌感染症
,
疾病の発生
,
分類
,
市中感染
,
細菌薬剤耐性
Keyword:
Bacterial Infections
,
Disease Outbreaks
,
Classification
,
Cross Infection
,
Community-Acquired Infections
,
Drug Resistance, Bacterial
pp.857-863
発行日 2013年11月1日
Published Date 2013/11/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2014039691
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医療関連感染症とは,場所を問わず,提供された医療に関連して発生したすべての感染症を含む概念である.医療関連感染症の疫学情報は,リスク評価につながる比較可能なものであることが必要であり,対象集団を明確に定義すること(症例定義)が重要である.医療関連感染症のうち,発生頻度が高いものは尿路感染症,手術部位感染症,肺炎,血流感染症である.MRSA,VRE,カルバペネム耐性腸内細菌の疫学は国と地域により大きく異なる.医療関連血流感染症は,市中感染症と比較してMSSA,MRSA,Pseudomonas aeruginosa,ESBL産生菌,AmpC産生菌が多く,Streptococcus pneumoniae,Escherichia coliが少ない傾向がある.
©Nankodo Co., Ltd., 2013