発行日 2013年7月1日
Published Date 2013/7/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2013260572
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48歳男。約13年前にHodgkinリンパ腫(HL)と診断され、その約2年後に再発し、DHAP療法で寛解を得、3ヵ月後にAPBSCTを施行し完全寛解を維持していた。寛解より約11年後にHBV-DNAが陽転化し再活性化と判断し、Denovo B型肝炎の予防目的にETV内服を開始したが、呼吸困難が出現し、間質性肺炎(IP)の疑いで入院となった。白血球数は低下しており、分画でLGLを21%を認めた。さらに正球性正色素性貧血と血小板減少があり汎血球減少を呈した。LDHと尿酸値の軽度増加を認め、フェリチン値、可溶性インターロイキン2受容体が上昇していた。骨髄穿刺では有核細胞数は低下しており、LGLが29.8%を占めた。LGLの表面形質はCD3+、CD4-、CD8+、CD56-、CD57+であった。G-band法による染色体分析は正常核型であったが、T細胞受容体(TCR)遺伝子の全てに再構成が認められ、T-LGL白血病と診断した。IPに対して抗菌薬・抗真菌薬およびグロブリン製剤は奏効せず、T-LGL白血病肺浸潤が疑われたためスクロスポリンAを投与した。数日後には解熱、咳嗽は改善し間質性陰影は消失した。HBV-DNAは陰性化し、末梢血中のLGLも徐々に減少した。
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