骨折予防を目指した積極的な骨粗鬆症診療 新しい骨粗鬆症治療薬
denosumab
中村 利孝
1
1産業医科大学 医学部整形外科学
キーワード:
Androgen Antagonists
,
骨粗鬆症
,
骨粗鬆症-閉経後
,
骨密度
,
前立腺腫瘍
,
多施設共同研究
,
ランダム化比較試験
,
超微構造
,
Denosumab
,
骨折-骨粗鬆症性
,
長期投与
Keyword:
Denosumab
,
Androgen Antagonists
,
Osteoporosis
,
Prostatic Neoplasms
,
Bone Density
,
Randomized Controlled Trials as Topic
,
Osteoporosis, Postmenopausal
,
Multicenter Studies as Topic
,
Osteoporotic Fractures
pp.691-694
発行日 2013年4月1日
Published Date 2013/4/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2013155563
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denosumabは抗RANKL抗体製剤で,破骨細胞分化,機能,寿命などのすべてに作用し,骨吸収抑制により骨に対する保護効果を発揮する.閉経後骨粗鬆症における大規模臨床試験では,3年間で椎体骨折発生率を68%,大腿骨近位部骨折発生率を40%抑制した.延長試験では,腰椎および大腿骨頸部の骨密度(BMD)は5年間でそれぞれ13.7%,6.1%増加した.denosumabの骨折リスク低下は,大腿骨近位部BMDの増加率と関連する.橈骨皮質骨の周囲長増加効果が確認され,alendronateと比べて体積骨密度増加効果が強い.denosumabの骨折防止効果には一貫性があり,皮質骨の骨密度増加効果は従来の薬物にない特性である.日常診療での効果が期待される.
©Nankodo Co., Ltd., 2013