急性腎障害(AKI)-概念の確認から、さらなる予後改善を目指して
《AKIの診断》診断基準 RIFLE、AKIN、KDIGO分類の概要
平和 伸仁
1
1横浜市立大学附属市民総合医療センター 血液浄化療法部
キーワード:
急性腎障害
,
分類
,
評価基準
Keyword:
Classification
,
Acute Kidney Injury
pp.386-390
発行日 2012年9月1日
Published Date 2012/9/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2012335874
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●多臓器不全、ICUにおいて治療経過中にARFが発症すると、その予後が著しくわるいことが報告され、近年、critical care領域における腎障害に注目が集まっている。●2002年、ADQIコンセンサス・カンファレンスにおいて、ARFに対する新しい定義が提唱された。血清Cr、GFR、時間尿量という簡便なパラメーターを用いるRIFLE分類では、5つのstageに分類し、予後との関連なども検討されてきている。●2005年にAKINは、ARFを形態的かつ機能的な腎障害と捉え、新しくAKIという名称と概念を提唱した。AKIN分類では、わずかなCr値の上昇が予後を有意に悪化させることを重視し、RIFLE分類を改変し、血清Cr0.3mg/dlの上昇をAKIの診断に取り入れた。また、48時間以内のCr値の変化により早期にAKIの診断をすること、AKIのstageを単純化し3つに分類することなど、簡便で使いやすいというメリットもある。●2つの定義が提唱されるという点で混乱も生じたため、最近、KDIGOのワーキンググループにおいて、これらの定義をまとめたAKI定義に関する提言がなされた。
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