大腸癌の最新事情-防止・治癒を目指して
《発癌のメカニズム》遺伝性大腸癌
石川 秀樹
1
1京都府立医科大学 分子標的癌予防医学
キーワード:
大腸内視鏡法
,
大腸ポリポーシス-腺腫様
,
腫瘍過程
,
大腸腫瘍-遺伝性非ポリポーシス
,
ミスマッチ修復
,
マイクロサテライト不安定性
,
大腸切除
Keyword:
Colorectal Neoplasms, Hereditary Nonpolyposis
,
Colonoscopy
,
Neoplastic Processes
,
Adenomatous Polyposis Coli
,
Microsatellite Instability
,
DNA Mismatch Repair
pp.849-853
発行日 2011年11月1日
Published Date 2011/11/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2012028863
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●遺伝性大腸癌である家族性大腸腺腫症(FAP)とLynch症候群の診療には注意点が数多くある。●FAPにおいて第一に選ばれる治療法は大腸全摘・回腸嚢肛門吻合術(IAA)または結腸全摘・回腸直腸吻合術(IRA)であるが、今後は内視鏡的に大腸腺腫を摘除しながら厳重な経過観察を行うことも可能かもしれない。●Lynch症候群はミスマッチ修復遺伝子の異常により発癌する。ミスマッチ修復遺伝子異常により発症した癌組織はマイクロサテライト不安定性を呈するため、その検索が臨床的に有用である。●Lynch症候群における大腸腺腫は増大速度が速いため、経過観察は1年ごとの大腸内視鏡検査が望ましい。
©Nankodo Co., Ltd., 2011