大腸癌の最新事情-防止・治癒を目指して
《発癌のメカニズム》大腸癌発生のメカニズム
山本 英一郎
1
,
鈴木 拓
,
山野 泰穂
,
菅井 有
,
篠村 恭久
,
豊田 実
1札幌医科大学 第一内科
キーワード:
Cyclic IMP
,
p53遺伝子
,
大腸腫瘍
,
腫瘍過程
,
APC遺伝子
,
DNAメチル化
,
B-raf癌原遺伝子タンパク質
,
マイクロサテライト不安定性
,
MutL Protein Homolog 1
,
KRAS Protein
Keyword:
MutL Protein Homolog 1
,
Cyclic IMP
,
Neoplastic Processes
,
Colorectal Neoplasms
,
Genes, p53
,
Genes, APC
,
DNA Methylation
,
Proto-Oncogene Proteins B-raf
,
Microsatellite Instability
,
KRAS Protein, Human
pp.843-848
発行日 2011年11月1日
Published Date 2011/11/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2012028862
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●大腸癌の発生には遺伝子変異・欠失などのジェネティックな異常と、DNAメチル化などのエピジェネティックな異常の蓄積が重要である。●大腸癌は発癌過程で起こる遺伝子異常に関してもっともよく解析の進んでいる腫瘍である。●従来の腺腫を経て癌化するadenoma-carcinoma sequenceにおいてもAPC、KRAS、p53遺伝子変異に加え、エピジェネティクス異常の蓄積が重要な役割を担っていることが明らかとなってきた。●さらに一部の大腸癌は鋸歯状病変を前癌病変としてゲノムワイドなメチル化の異常(CIMP)、BRAF変異やhMLH1のメチル化によるマイクロサテライト不安定性(MSI)を介して発癌する。このような従来の腺腫由来とは異なる分子機構で癌化する特徴的な発癌経路(serrated neoplastic pathway)の存在が明らかとなってきた。
©Nankodo Co., Ltd., 2011