気管支喘息包囲網-喘息死ゼロへ向けた最後の10年へ
気管支喘息の治療薬-吸入薬に加える選択肢 テオフィリン
黨 康夫
1
1同愛記念病院 アレルギー呼吸器科
キーワード:
Histone Deacetylases
,
Steroids
,
Theophylline
,
気管支
,
気管支拡張剤
,
抗炎症剤
,
喘息
,
多剤併用療法
,
平滑筋
,
利尿剤
,
吸入投与
,
Phosphatidylinositol 3-Kinase
,
Phosphodiesterase 4 Inhibitors
Keyword:
Administration, Inhalation
,
Bronchi
,
Bronchodilator Agents
,
Asthma
,
Anti-Inflammatory Agents
,
Drug Therapy, Combination
,
Diuretics
,
Histone Deacetylases
,
Muscle, Smooth
,
Steroids
,
Theophylline
,
Phosphodiesterase 4 Inhibitors
,
Phosphatidylinositol 3-Kinase
pp.415-420
発行日 2011年9月1日
Published Date 2011/9/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2011320537
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・気管支喘息がアレルギー性気道炎症であることが明らかになってから、吸入ステロイド薬が治療の中心となった。そのような中、新たな作用をもつことが明らかになったテオフィリンについて概説する。・テオフィリンは高濃度においてPDE4阻害作用により気管支平滑筋を弛緩させる。・低濃度では、HDAC活性化作用およびPI3K阻害作用を示すが、これらがいわゆる抗炎症作用である。HDACの活性化により炎症遺伝子の転写が抑制され抗炎症作用をもたらす。・細胞内炎症性シグナリング酵素であるPI3Kの特異的阻害によっても炎症は鎮静化される。・テオフィリンは気管支拡張作用と抗炎症作用の2つの顔をもつ薬剤であり、両者を使い分けることで気管支喘息治療の幅が広がる。
©Nankodo Co., Ltd., 2011