変わりゆくパーキンソン病診療 早期診断から進行期患者の治療まで
パーキンソン病の症状を知る パーキンソン病とBraak仮説
森 秀生
1
,
舟辺 さやか
1順天堂大学医学部附属順天堂越谷病院 神経内科
キーワード:
運動障害
,
認知障害
,
Parkinson病
,
嗅覚障害
,
病勢悪化
,
レム睡眠行動障害
Keyword:
Olfaction Disorders
,
Cognition Disorders
,
Movement Disorders
,
Parkinson Disease
,
REM Sleep Behavior Disorder
,
Disease Progression
pp.773-777
発行日 2011年5月1日
Published Date 2011/5/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2011189947
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・パーキンソン病のBraak仮説とは、パーキンソン病の病変の進展は嗅球と下部脳幹の延髄から始まり、脳幹の病変は脳幹を上行し、大脳皮質に広がるとするものである。・Braak仮説は、パーキンソン病で嗅覚の低下やレム期睡眠行動異常症(RBD)が運動症状に先行してみられることがしばしばあるとの報告によく合致する。また、進行期には認知症を伴う点も大脳皮質への病変の広がりで説明できる。・Braak仮説に対する追試では大体の例が仮説に合うとする報告が多いが、合わない例も少なからずあることが報告されている。・Braak仮説では何らかの神経毒が末梢神経に入り込み、それが中枢神経系に運ばれて次々と広がっていくとする病因に関する仮説も述べられている。
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