薫風吹く膠原病診療-臨床を駆ける進歩の風
特殊病態診療の進歩 膠原病に伴う間質性肺炎
高田 和生
1
1東京医科歯科大学医歯学融合教育支援センター
キーワード:
Cyclophosphamide
,
Ciclosporin
,
Ferritins
,
Galactosylceramides
,
関節リウマチ
,
結合組織疾患
,
自己抗体
,
生存率
,
T細胞
,
Tacrolimus
,
重症度指標
,
肺炎-間質性
,
病態生理
Keyword:
Arthritis, Rheumatoid
,
Autoantibodies
,
Connective Tissue Diseases
,
Cyclophosphamide
,
Ferritins
,
Galactosylceramides
,
Severity of Illness Index
,
T-Lymphocytes
,
Tacrolimus
,
Survival Rate
,
Cyclosporine
,
Lung Diseases, Interstitial
pp.612-618
発行日 2011年4月1日
Published Date 2011/4/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2011160958
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
・間質性肺炎は膠原病患者に比較的高頻度で合併し、一部の患者においては予後規定因子となる。・高用量糖質コルチコイドのみでは病勢をコントロールできない症例が少なくない一方、病態の研究がもっとも進んでいる強皮症および多発性筋炎・皮膚筋炎合併間質性肺炎のデータより、活性化されたTリンパ球の病態への関与が強く示唆され、カルシニューリン阻害薬であるciclosporinやtacrolimus、cyclophosphamideなどの有効性を示すデータが蓄積されつつある。・今後、膠原病合併間質性肺炎の病態・病因がさらに解明され、病態特異的な標的治療の開発が期待され、抗炎症治療および免疫抑制治療とともに「線維化」を促す病態・環境の修飾を可能にしうる新規治療法も含めた複合的アプローチにより、間質性肺炎の治療が有効性および安全性の両面において改善されていくことが期待される。
©Nankodo Co., Ltd., 2011