特集 脳神経・頭頸部の画像診断update
診療
レビー小体型認知症の診断に苦慮した認知症の3例 各種検査の比較
吉田 敦史
1
,
河邉 讓治
,
東山 滋明
,
小谷 晃平
,
内田 健太郎
,
田川 亮
,
松田 泰範
,
井上 幸紀
,
塩見 進
1大阪市立大学 大学院医学研究科核医学
キーワード:
Alzheimer病
,
鑑別診断
,
SPECT
,
脳循環
,
Iobenguane
,
Lewy小体病
,
Technetium Tc 99m Bicisate
,
心筋血流イメージング
,
Ioflupane
Keyword:
Alzheimer Disease
,
Diagnosis, Differential
,
Cerebrovascular Circulation
,
Tomography, Emission-Computed, Single-Photon
,
3-Iodobenzylguanidine
,
Lewy Body Disease
,
Myocardial Perfusion Imaging
,
Technetium Tc 99m Bicisate
,
Ioflupane
pp.1651-1659
発行日 2016年11月10日
Published Date 2016/11/10
DOI https://doi.org/10.18888/J01565.2017096478
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レビー小体型認知症(DLB)の診断に苦慮した認知症の3例を経験した。症例1は82歳女性で、物忘れが多くなり、金銭管理ができなくなった。99mTc-ECD脳血流SPECTでは、両側大脳半球の血流分布は不均一で脳萎縮が疑われた。eZISでは両側帯状回の一部に有意な血流低下がみられた。DLBと診断し、内服加療となった。症例2は68歳男性で、抑うつ状態が強くなり、妄想的言動や奇異行動がみられるようになった。幻視、妄想を訴え、パーキンソン症状もみられた。99mTc-ECD脳血流SPECTでは両側前頭葉の血流が不均一に低下していた。eZISでは両側後部帯状回・楔前部に有意な血流低下がみられた。両側大脳半球の血流も低下していた。幻覚、妄想は内服にて軽快した。軽度認知機能障害、双極性障害と診断した。症例3は80歳女性で、自宅でも幻視を認めるようになった。99mTc-ECD脳血流SPECTでは右上部前頭葉や頭頂葉の血流が不均一で、同部の萎縮が疑われた。左側頭葉にも血流低下がみられ、萎縮が疑われた。eZISでは両側帯状回・楔前部に有意な血流低下がみられた。DLBの前駆状態が疑われた。幻視は内服にて軽快した。
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