消化器内視鏡診療の進歩 パラダイムシフトへの胎動を覘きみる
良性疾患における内視鏡診療は生まれ変わったか 消化性潰瘍
下田 良
1
1佐賀大学 医学部内科
キーワード:
Ethanol
,
胃潰瘍
,
外科用器具
,
消化性潰瘍出血
,
電気凝固
,
内視鏡的止血
,
治療成績
Keyword:
Ethanol
,
Electrocoagulation
,
Peptic Ulcer Hemorrhage
,
Surgical Instruments
,
Stomach Ulcer
,
Hemostasis, Endoscopic
,
Treatment Outcome
pp.665-669
発行日 2010年10月1日
Published Date 2010/10/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2011003833
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近年H.pylori除菌療法の普及により、H.pylori陽性の消化性潰瘍は減少傾向にあるが、高齢者の増加に伴い、低用量aspirinおよび非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)の内服に起因する消化性潰瘍は増加している。1980年代初頭までは上部消化管出血に対する第一選択は外科的手術であったが、約25年前より内視鏡的止血術が導入されるようになった。出血性消化性潰瘍における内視鏡的止血術は、(1)薬剤局注療法、(2)機械的止血法、(3)熱凝固療法、(4)薬剤散布法に分類され、本邦においてはクリップによる止血術を第一選択に行う施設が多いが、近年高周波止血鉗子を用いた熱凝固法が増加傾向にある。
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