白血病診療essentials 日常臨床に必要な最新の診断と治療
急性骨髄性白血病における遺伝子異常に基づいた治療戦略
清井 仁
1
1名古屋大学医学部附属病院 難治感染症部
キーワード:
変異
,
白血病-急性骨髄性
,
c-kit癌原遺伝子タンパク質
,
寛解導入
,
生存分析
,
治療成績
,
fms-Like Tyrosine Kinase 3
Keyword:
Mutation
,
Remission Induction
,
Leukemia, Myeloid, Acute
,
Survival Analysis
,
Treatment Outcome
,
Proto-Oncogene Proteins c-kit
,
fms-Like Tyrosine Kinase 3
pp.299-304
発行日 2010年8月1日
Published Date 2010/8/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2010289041
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急性骨髄性白血病(AML)は治癒可能な疾患といわれるようになって久しいが、この20年間、飛躍的な治療成績の向上はみられていない。今後、AMLに対する治療成績向上のためには、分子病態に基づく個別化治療の確立が急務である。これまでに、AMLの治療成績と関係する多くの遺伝子異常が明らかにされてきているが、それぞれの遺伝子異常の予後予測因子としての臨床的意義と、その遺伝子異常に基づく個別化治療の有効性は十分に明らかにされてはいない。受容体チロシンキナーゼであるFLT3、KITの活性型遺伝子変異はAMLにおける重要な層別化因子であり、これら遺伝子異常に基づく個別化治療の確立がAMLの治療成績向上につながると考えられる。
©Nankodo Co., Ltd., 2010