白血病診療essentials 日常臨床に必要な最新の診断と治療
治療関連毒性への対策 白血病治療における輸血療法と合併症への対応
奧山 美樹
1
1がん・感染症センター都立駒込病院 輸血・細胞治療科
キーワード:
移植片対宿主病
,
血液製剤
,
血漿
,
血小板
,
白血病
,
輸血
,
溶血
,
赤血球輸血
,
薬物投与量算出
,
新鮮凍結血漿
,
輸血関連急性肺障害
Keyword:
Blood Platelets
,
Blood Transfusion
,
Graft vs Host Disease
,
Hemolysis
,
Leukemia
,
Plasma
,
Plasma
,
Erythrocyte Transfusion
,
Drug Dosage Calculations
pp.295-298
発行日 2010年8月1日
Published Date 2010/8/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2010289040
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輸血療法は移植の一種である。効果的な治療法ではあるが、あくまで補充療法である。安全性の面からも、貴重な血液の有効利用のためにも、適正使用を心がけなければならない。赤血球濃厚液(RCC)輸血の目安はHb 7g/dlであるが、臨床症状や合併症を考慮して適応を決定する。血小板濃厚液(PC)の予防的投与はPlt数1~2万/μl以下が目安であるが、臨床症状も参考に投与を決定する。新鮮凍結血漿(FFP)は凝固因子の補充に用いられ、DICやL-アスパラギナーゼ使用時などの凝固因子低下の際に適応となる。重篤な輸血関連合併症には血液型不適合輸血、TRALI、TA-GVHDなどがあり、TA-GVHDの予防には血液製剤の放射線照射が有効である。
©Nankodo Co., Ltd., 2010