免疫性神経疾患 新たな治療戦略に向けて
治療の実際 作用機序と適応・効果・副作用 免疫グロブリン静注療法
千葉 厚郎
1
1杏林大学 神経内科
キーワード:
好酸球性多発血管炎性肉芽腫症
,
IgG
,
抗イディオタイプ抗体
,
自己抗体
,
自己免疫疾患
,
Fc Receptors
,
神経系疾患
,
頭痛
,
補体
,
Guillain-Barre症候群
,
多発性根神経障害-慢性炎症性脱髄性
,
筋肉痛
,
静脈内投与
,
多巣性運動性ニューロパチー
Keyword:
Antibodies, Anti-Idiotypic
,
Autoantibodies
,
Autoimmune Diseases
,
Complement System Proteins
,
Immunoglobulin G
,
Headache
,
Nervous System Diseases
,
Receptors, Fc
,
Churg-Strauss Syndrome
,
Polyradiculoneuropathy, Chronic Inflammatory Demyelinating
,
Guillain-Barre Syndrome
,
Myalgia
,
Administration, Intravenous
pp.835-838
発行日 2010年5月1日
Published Date 2010/5/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2010193474
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IVIgは、GBS急性期、CIDP・MMN増悪時の治療の第一選択となっている。また、Churg-Strauss症候群における末梢神経障害への有効性も確立された。作用機序としては、Fcレセプターの飽和、補体結合抑制、抗イディオタイプ抗体作用、自己抗体の異化亢進、炎症性サイトカイン・ケモカインへの抑制効果、Tリンパ球への作用などが考えられている。副作用は投与初期の頭痛・筋痛・発熱など比較的軽微なものが多いが、高齢者などでは血液粘稠度上昇による虚血性血管障害にも注意を要する。また、IgA欠損症ではアナフィラキシーを起こす可能性があり、投与前に免疫グロブリンの定量を行うのが望ましい。
©Nankodo Co., Ltd., 2010