発行日 2010年3月1日
Published Date 2010/3/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2010180564
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65歳男性。患者は気管支喘息の既往があった。今回、1ヵ月前からの腹部違和感が腹痛増強し受診となった。超音波では肝内胆管の拡張がみられ、CTでは膵臓のソーセージ様腫大と肝内胆管から総胆管の著明拡張が認められた。また、検査では腫瘍マーカー(CEA、CA19-9)は正常範囲内であったが、IgGおよびsIL-2Rの有意な上昇が確認され、画像所見から自己免疫性膵炎が疑われた。以後、追加検査でもIgG分画のIgG 4の著明な上昇がみられ、自己免疫性膵炎と診断された。一方、同時期に行われた胸部CTでは右S2に嚢胞性病変、両肺野気管支血管周囲束びまん性肥厚、両側軽度胸膜肥厚、両側下葉粒状影、軽度スリガラス影が認められた。治療として膵・肺病変にステロイド投与を開始した結果、両病変は著明な改善が得られた。
©Nankodo Co., Ltd., 2010