内科医が診る不安・抑うつ どこまで診るのか、どこから診ないのか
内科疾患における不安・抑うつの診方 循環器疾患
渡辺 尚彦
1
1東京女子医科大学東医療センター 内科
キーワード:
高血圧
,
死亡率
,
心臓血管疾患
,
不安症
,
抑うつ
,
DSM
Keyword:
Anxiety Disorders
,
Cardiovascular Diseases
,
Depression
,
Hypertension
,
Mortality
,
Diagnostic and Statistical Manual of Mental Disorders
pp.209-213
発行日 2010年2月1日
Published Date 2010/2/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2010107259
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循環器疾患には不安障害・うつ病の合併が多く、両者は循環器疾患の危険因子で、その治療は循環器疾患の予防につながる。不安は血圧を上昇させ、さらに不安を引き起こすため、不安原因を調べて対処する必要がある。三環系抗うつ薬は、致死的不整脈を起こすことがあり注意を要する。SSRIは、うつ病改善と心筋梗塞再発予防効果があり、うつ病合併の心筋梗塞患者への使用が推奨される。うつ病患者は、朝わるく夕方改善する精神身体症状の日内変動がある。循環器医は精神医学的知識が乏しく、不安障害やうつ病の診療に時間がかかるので敬遠するが、患者数はむしろ多い。速やかな専門医紹介と判断のため正しい知識をもつ必要がある。
©Nankodo Co., Ltd., 2010