発行日 2009年11月1日
Published Date 2009/11/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2010021293
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54歳女。飲酒時に突然の非拍動性頭痛および排便時の頭痛が出現し、3時間程で改善したが頭重感は残存してその後も頭痛は出現した。近医にて右1/4半盲を指摘され精査加療目的で当院入院した。MRIで左基底核付近に脳梗塞を示唆する点状像、MRAで脳動脈にびまん性の数珠状狭窄を認め、脳血管造影で前大脳動脈を中心に頭蓋内血管に狭窄、狭窄後拡張像を認めた。脳血管炎を疑いprimary angiitis of the CNS(PACNS)と診断してcilostazol内服、ステロイドパルス療法を3日間施行した。その後、エンドキサンパルス療法を施行し、prednisolone(PSL)内服を開始した。頭痛は改善傾向を示し、第17病日に2回目のエンドキサンパルス療法を施行してPSLを減量した。第20病日にamlodipineを併用してPSLは2週ごとに漸減し第51病日に退院した。毎週MRAを施行し、前・中脳動脈の狭窄は徐々に改善し、第28病日には狭窄像は認めず血管造影でも同様の所見を示した。以後神経症状や頭痛の再燃は認めなかった。
©Nankodo Co., Ltd., 2009