糸球体疾患 腎炎からネフローゼまで、最高の診療を目指して
エビデンスに基づいた疾患別対応 ループス腎炎とANCA関連腎炎の治療 副作用を最小限にして最大の治療効果を得るために
福岡 利仁
1
,
山田 明
1杏林大学 医学部第一内科
キーワード:
Cyclophosphamide
,
Methylprednisolone
,
Prednisolone
,
多剤併用療法
,
腎炎-ループス
,
重症度指標
,
診療ガイドライン
,
パルス療法(薬物療法)
,
静脈内投与
,
腎炎-抗好中球細胞質抗体関連
Keyword:
Cyclophosphamide
,
Drug Therapy, Combination
,
Lupus Nephritis
,
Methylprednisolone
,
Prednisolone
,
Severity of Illness Index
,
Practice Guidelines as Topic
,
Pulse Therapy, Drug
,
Administration, Intravenous
pp.53-57
発行日 2010年7月1日
Published Date 2010/7/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2010250365
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全身性エリテマトーデス(SLE)、ANCA関連血管炎は、腎病変をきたす代表的な自己免疫患である。これらの腎炎を治療するためにはステロイド薬、免疫抑制薬を用いた強力な免疫抑制治療が必要であるが、一方で骨髄抑制や易感染性などが問題となる。このため、近年、これらの腎炎へは、初期に疾患活動性を抑制する寛解導入のための治療法と、いったん寛解した状態を再発なく安全に維持するための寛解維持療法の二段階に分けた治療法が主体となってきている。寛解導入には、ステロイドとともにcyclophosphamideなどのようなより強力な免疫抑制薬を使用するが、投与を短期間に限定し、その後、少量ステロイドと比較的作用の穏やかな免疫抑制薬のコンビネーションで長期に疾患活動性を観察しながら治療を継続する。
©Nankodo Co., Ltd., 2010