呼吸器感染症2010 新たな脅威と必要な新知識
トピックス タミフル 10代への適応と耐性化
岡部 信彦
1
1国立感染症研究所感染症情報センター
キーワード:
インフルエンザ-ヒト
,
行動症状
,
経口投与
,
Oseltamivir
,
インフルエンザウイルスA型H1N1亜型
Keyword:
Administration, Oral
,
Behavioral Symptoms
,
Influenza, Human
,
Influenza A Virus, H1N1 Subtype
,
Oseltamivir
pp.863-866
発行日 2009年11月1日
Published Date 2009/11/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2010021278
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タミフル使用による異常行動の出現の疑いが提起され、社会的な反響を呼んだ。全国の臨床医の協力を得て行った筆者らの研究班では、インフルエンザ様疾患における異常行動はタミフル未使用群でも使用群でも同様に出現することがわかった。これらの研究成績などについて検討した調査会の結論などについて、本稿で述べた。近年インフルエンザA/H1N1(ソ連型)のほとんどは、oseltamivir耐性遺伝子H275Yに置換している。新型インフルエンザウイルスH1N1pdmは、幸いこれまでのところは世界でもごく少数株の出現にすぎないが、国内でも数株が検知されている。現在、新型インフルエンザウイルスにおける耐性株について臨床上の問題はないが、今後の動向に注意が必要である。
©Nankodo Co., Ltd., 2009