呼吸器感染症2010 新たな脅威と必要な新知識
市中肺炎
渡辺 彰
1
1東北大学加齢医学研究所 抗感染症薬開発研究部門
キーワード:
Amoxicillin
,
Carbapenems
,
Cephalosporins
,
Haemophilus Infection
,
Penicillins
,
Tetracyclines
,
抗細菌剤
,
鑑別診断
,
診断用試薬キット
,
肺炎-肺炎球菌性
,
肺炎-マイコプラズマ性
,
市中感染
,
Fluoroquinolones
Keyword:
Amoxicillin
,
Anti-Bacterial Agents
,
Diagnosis, Differential
,
Cephalosporins
,
Haemophilus Infections
,
Pneumonia, Pneumococcal
,
Pneumonia, Mycoplasma
,
Penicillins
,
Reagent Kits, Diagnostic
,
Tetracyclines
,
Carbapenems
,
Community-Acquired Infections
,
Fluoroquinolones
pp.799-804
発行日 2009年11月1日
Published Date 2009/11/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2010021265
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市中肺炎の診療には、日本呼吸器学会の成人市中肺炎診療ガイドラインが参考となる。市中肺炎の起炎菌には肺炎球菌、インフルエンザ菌、肺炎マイコプラズマ、肺炎クラミジアが多い。肺炎球菌やインフルエンザ菌による肺炎を細菌性肺炎といい、βラクタム系薬が奏効する。肺炎マイコプラズマや肺炎クラミジアによる肺炎を非定型肺炎といい、ニューキノロン系薬やマクロライド系薬、テトラサイクリン系薬が奏効する。起炎菌不明であっても、細菌性肺炎と非定型肺炎とに鑑別すれば、その後の治療薬選択は容易となる。細菌性肺炎と非定型肺炎の鑑別は、初診時でも簡単な臨床病態因子の把握のみで可能である。A-DROPシステムを用いると、重症度が迅速かつ正確に判断できる。尿中抗原検査法などの肺炎病原体迅速診断法が発達しており、有用である。市中肺炎に対するニューキノロン系薬の第一選択は、慢性の呼吸器基礎疾患を有する例である。
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