循環器薬 使い方プラクティス 疾患別循環器薬の使い方 《心不全》
アルドステロン受容体拮抗薬
加藤 大介
1
,
名越 智古
,
吉村 道博
1東京慈恵会医科大学 循環器内科
キーワード:
Mineralocorticoid Receptor Antagonists
,
Spironolactone
,
高カリウム血症
,
心不全
,
内分泌系疾患
,
診療ガイドライン
,
多施設共同研究
,
治療成績
,
ランダム化比較試験
,
Eplerenone
Keyword:
Mineralocorticoid Receptor Antagonists
,
Endocrine System Diseases
,
Hyperkalemia
,
Heart Failure
,
Spironolactone
,
Randomized Controlled Trials as Topic
,
Treatment Outcome
,
Multicenter Studies as Topic
,
Practice Guidelines as Topic
,
Eplerenone
pp.509-515
発行日 2013年9月1日
Published Date 2013/9/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2013305823
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腎臓尿細管におけるNa再吸収以外に,アルドステロンおよびミネラルコルチコイド受容体(MR)シグナリングは細胞肥大,線維化,アポトーシスなどの多面的な心血管への直接作用を有することが明らかとなってきた.RALES試験では,重症心不全症例において従来の心不全治療にスピロノラクトンを追加投与することで予後改善効果が示された.EMPHASIS-HF試験では,NYHAII度と比較的軽症の収縮不全を有する心不全症例において,心不全基礎治療(ACE阻害薬/ARB,β遮断薬)にエプレレノンの追加投与が有効であることが示され,収縮不全を有する心不全治療においてアルドステロン受容体拮抗薬はACE阻害薬/ARB,β遮断薬と同様に第一選択薬として位置づけられた.慢性腎臓病を合併する症例に対する処方ではとくに高K血症に対する注意が必要である.すでにACE阻害薬/ARBが投与されている慢性腎臓病を合併した心不全症例においては,スピロノラクトンを少量から慎重に投与開始することも有効であろう.
©Nankodo Co., Ltd., 2013