心筋症 診断の進歩と治療のブレークスルー2009
これらの心筋症をどう診療するか 不整脈源性右室心筋症
梶本 克也
1
,
萩原 誠久
,
笠貫 宏
1湘南第一病院 循環器内科
キーワード:
Amiodarone
,
心電図
,
突然死
,
変異
,
不整脈原性右室異形成
,
Transforming Growth Factor Beta3
Keyword:
Amiodarone
,
Death, Sudden
,
Electrocardiography
,
Mutation
,
Arrhythmogenic Right Ventricular Dysplasia
,
Transforming Growth Factor beta3
pp.487-491
発行日 2009年3月1日
Published Date 2009/3/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2009118830
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不整脈源性右室心筋症(ARVD/C)は、病態の初期像から心室性不整脈と心筋症を併せ持つ疾患であり、心室性不整脈は心筋細胞のイオンチャネルの異常、心筋症は心筋細胞間接着構造の異常が原因とされている。持続性心室頻拍の再発に対するamiodarone(AMD)およびカテーテルアブレーション(CA)の長期有効性は高く、また突然死予防に対する有効性も高いため、まずこれらの治療の選択、またはAMDとCAの併用療法を治療戦略として考える必要がある。しかし、これらの治療が無効な症例、心停止既往例や血行動態が不安定な心室頻拍を認める症例では、植込み型除細動器の適応を速やかに検討する必要がある。潜在的ARVD/Cの鑑別可能な診断基準の確立、原因遺伝子の同定、および突然死予防の治療戦略について、今後さらなる検討が必要である。
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