感染症の治療 抗菌薬を使いこなそう
まれに経験される疾患における抗菌薬の使い方 こんなときに思いついて 温泉旅行後の肺炎
比嘉 太
1
1琉球大学 感染病態制御学講座分子病態感染症学(第一内科)
キーワード:
レジオネラ症
,
温泉学
,
抗感染剤
,
肺炎
,
旅行
,
Macrolides
,
疾患届出
,
Fluoroquinolones
Keyword:
Balneology
,
Anti-Infective Agents
,
Legionnaires' Disease
,
Pneumonia
,
Travel
,
Macrolides
,
Disease Notification
,
Fluoroquinolones
pp.921-924
発行日 2008年11月1日
Published Date 2008/11/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2008377919
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レジオネラ曝露の危険因子としては、最近の1泊以上の旅行、井戸水の使用、上水道の破損、温泉、生活環境の近くに冷却塔があること、があげられている。本症の潜伏期間は2~10日間で、突然の高熱や呼吸器症状で発症する。確定診断は、臨床検体からのレジオネラの分離培養、特異抗体を用いた直接蛍光抗体法による検出、間接蛍光抗体法による血清抗体価測定、レジオネラ尿中抗原検出、PCR法による。治療にはキノロン系薬、あるいはマクロライド系薬を用いる。レジオネラ症は感染症予防法4種感染症であり、本症を診断した場合には、ただちに保健所に届け出ることが必要である。公衆浴場における水質基準は、レジオネラが検出されないこととしている。
©Nankodo Co., Ltd., 2008