悪性リンパ腫診療update in 2008 最新のエビデンスに基づく診断と治療
B細胞リンパ腫におけるrituximab耐性化の機序とその克服
富田 章裕
1
,
平賀 潤二
,
木下 朝博
,
直江 知樹
1名古屋大学 大学院医学研究科分子細胞内科学血液・腫瘍内科
キーワード:
リンパ腫-B細胞性
,
CD20抗原
,
Rituximab
Keyword:
Rituximab
,
Lymphoma, B-Cell
,
Antigens, CD20
pp.345-350
発行日 2008年8月1日
Published Date 2008/8/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2008287692
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rituximabは、CD20陽性悪性リンパ腫の治療にきわめて有効な分子標的薬であるが、最近では耐性化症例も経験されている。rituximabを含む化学療法を施行したのちに再発・再燃をきたしたB細胞リンパ腫症例の一部に、CD20の陰性転化が認められ、耐性化の原因となっていることが推測される。一部の症例ではCD20 mRNAの発現低下がCD20の陰性転化に関与している。そのような症例ではCD20遺伝子発現を刺激してCD20蛋白の再発現を促し、rituximab耐性化を克服できる可能性がある。
©Nankodo Co., Ltd., 2008