発行日 2008年7月1日
Published Date 2008/7/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2008258156
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83歳女。吐血で来院し、直ちに上部消化管内視鏡を施行したところ、十二指腸球部前壁に明らかな白苔を伴わない露出血管を認め、近接像で赤色フィブリン栓を認めた。同部位を出血源と判断し、エピネフリン加高張食塩水9mlおよび純エタノール液0.5mlを露出血管近傍に局注した。入院時検査所見では著明な貧血、白血球増加、低蛋白血症、高血糖を認め、絶飲食、補液、輸血400ml、omeprazole点滴投与を行った。第2病日の上部消化管内視鏡で露出血管の消失と潰瘍形成を確認し、以後lansoprazole 30mg/日内服による保存療法を行った。第10病日には局注部位の潰瘍治癒を認め、14病日に退院し、以後再発はない。
©Nankodo Co., Ltd., 2008