発行日 2008年7月1日
Published Date 2008/7/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2008258153
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CSII(continuous subcutaneous insulin infusion)療法を導入したコントロール不良の1型糖尿病合併妊娠5例(平均23歳)の概要を報告し、代表例(26歳)を提示した。妊娠6週3日で血糖コントロール目的に入院し、空腹時血糖162mg/dl、HbA1c 8.1%であった。入院時ノボリンR(16-18-18)、ノボリンN(0-0-0-18)のmultiple daily injection療法から、妊娠8週0日にヒューマリンRを用い、preprogrammable insulin pump(PIP)によるCSII療法を導入した。食事療法は1600kcal/dayとし、PIPの特徴を利用して詳細に基礎注入を微調整した。最終的に基礎注入量16.4 U/day、追加注入12U(朝)、10U(昼)、6U(夕)で良好なコントロールが得られ、受診から1ヵ月後に退院した。退院後は外来で自己血糖測定結果よりインスリン量を調節し、HbA1cは5.5%と安定して低血糖の頻度も激減した。患者はCSII療法に満足し、妊娠経過順調で38週1日に正常分娩で3338gの男児を出産した。
©Nankodo Co., Ltd., 2008