治療可能な病態COPD 診療の実際と展望
症候群としてのCOPDの病態 全身性疾患としてのCOPD
茂木 孝
1
1日本医科大学 内科学講座呼吸器・感染・腫瘍部門
キーワード:
C-Reactive Protein
,
Interleukin-6
,
Steroids
,
加齢
,
筋萎縮症
,
抗炎症剤
,
骨粗鬆症
,
心臓血管疾患
,
体重減少
,
貧血
,
吸入投与
,
腫瘍壊死因子アルファ
,
肺疾患-慢性閉塞性
Keyword:
Administration, Inhalation
,
Aging
,
Cardiovascular Diseases
,
Anemia
,
Anti-Inflammatory Agents
,
C-Reactive Protein
,
Muscular Atrophy
,
Osteoporosis
,
Steroids
,
Tumor Necrosis Factor-alpha
,
Weight Loss
,
Interleukin-6
,
Pulmonary Disease, Chronic Obstructive
pp.244-248
発行日 2008年2月1日
Published Date 2008/2/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2008110799
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COPDの全身的影響は、体重減少、骨格筋萎縮、骨粗鬆症、貧血、心血管障害など多彩であるが、これらの併存症が予後に非常に大きく影響している。近年の研究では、COPD患者は呼吸器系以外の疾患が原因で亡くなることのほうが多いと報告されている。海外成績では循環器疾患の併存が注目されているが、日本ではこれを裏付ける証拠はまだほとんどない。全身影響をきたす原因として全身的な炎症が関与するためと考えられ、COPDではTNF-α,CRP,IL-6等の炎症メディエーターの増加が認められる。吸入ステロイドを使用したいくつかの報告では、併存症の頻度まで減る可能性があることが指摘されている。今後のCOPD治療は単に症状の改善を得るのではなく、抗炎症治療という観点も重視されている。
©Nankodo Co., Ltd., 2008