治療可能な病態COPD 診療の実際と展望
COPDの診断 COPDの画像診断
牧田 比呂仁
1
,
西村 正治
1牧田病院
キーワード:
コホート研究
,
鑑別診断
,
生活の質
,
体重減少
,
肺気腫
,
肺高血圧症
,
肺腫瘍
,
重症度指標
,
多施設共同研究
,
肺疾患-慢性閉塞性
,
胸部CT
Keyword:
Diagnosis, Differential
,
Hypertension, Pulmonary
,
Lung Neoplasms
,
Pulmonary Emphysema
,
Quality of Life
,
Severity of Illness Index
,
Cohort Studies
,
Weight Loss
,
Multicenter Studies as Topic
,
Pulmonary Disease, Chronic Obstructive
pp.231-237
発行日 2008年2月1日
Published Date 2008/2/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2008110797
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明らかな肺気腫病変を伴うCOPDもあれば、同じように閉塞性換気障害を有しながらCT上ほぼ正常で肺気腫のみられないタイプのCOPDも存在する。後者のような症例では末梢気道病変の存在が示唆される。COPDの画像診断は、肺気腫病変の広がりや、空気の捉え込み現象による過膨張所見などのCOPDの質的・量的診断に役立たせるばかりではなく、閉塞性換気障害をきたす他疾患との鑑別、あるいは肺高血圧、肺癌などCOPDの併存症の診断に重要である。多施設共同による北海道COPDコホート研究により、肺気腫の重症度と気流制限の重症度との相関は弱く、同じ病期のCOPDでも肺気腫の程度はさまざまであること、肺気腫の重症度が体重低下、QOLの悪化に関連することが示唆されている。
©Nankodo Co., Ltd., 2008