糖尿病マネージメントup-to-date
合併症の診断と治療 糖尿病性腎症
宇都宮 一典
1
1東京慈恵会医科大学 糖尿病・代謝・内分泌内科
キーワード:
アルブミン尿
,
危険因子
,
心臓血管疾患
,
糖尿病-2型
,
糖尿病性血管障害
,
糖尿病性腎症
,
慢性腎臓病
Keyword:
Albuminuria
,
Cardiovascular Diseases
,
Diabetes Mellitus, Type 2
,
Diabetic Angiopathies
,
Diabetic Nephropathies
,
Risk Factors
,
Renal Insufficiency, Chronic
pp.43-46
発行日 2008年1月1日
Published Date 2008/1/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2008078752
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糖尿病性腎症(腎症)は、末期腎不全の主たる原因疾患であるばかりではなく、維持透析移行後の生命予後が際立って不良であることが、臨床上の問題となっている。腎症は心血管疾患の大きなリスクとなる。従来、早期腎症のマーカーとされてきた微量アルブミン尿が、独立した心血管リスクとなることが明らかとなった。近年、腎機能障害が心血管死のリスクになることが判明し、CKDの概念が提唱されているが、腎症はCKDの中でもっとも重要な位置を占めている。腎症の管理には、かかる心腎連関の遮断を指向した包括的な視点が必要である。インスリン抵抗性は心血管疾患の成因に重要な意義を有するが、腎症の進展にも密接な関係を示す、糖尿病性血管障害の基盤にインスリン抵抗性が存在することは、重要な治療学的示唆をもたらすものである。
©Nankodo Co., Ltd., 2008