腫瘍内科診療データファイル
化学療法・放射線療法 化学療法耐性化の機序とその対策 造血器腫瘍を中心として
塩崎 宏子
1
,
泉二 登志子
1東京女子医科大学 血液内科
キーワード:
DNA修復
,
白血病
,
ATP-Binding Cassette Transporters
,
P-Glycoprotein
,
アポトーシス
,
抗腫瘍剤耐性
,
SNPs
Keyword:
DNA Repair
,
Leukemia
,
Apoptosis
,
ATP-Binding Cassette Transporters
,
Polymorphism, Single Nucleotide
,
Drug Resistance, Neoplasm
,
ATP-Binding Cassette, Sub-Family B, Member 1
pp.1079-1087
発行日 2007年12月1日
Published Date 2007/12/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2008061395
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抗がん薬耐性機序の主なものとして、ABCトランスポーターの発現、細胞質内解毒機構の亢進、アポトーシスの低下、DNA修復活性の亢進などがある。P糖蛋白はABCトランスポーターの代表的な蛋白であるが、これが発現している白血病症例は、寛解率が低く生存期間が短縮しており、予後不良因子である。薬剤耐性に対する対策は克服薬を用いることである。P糖蛋白に対するMS-209やcyclosporin A、アポトーシスの低下に対するBcl-2アンチオリゴヌクレオチドなどは、白血病治療成績を向上させる。薬剤耐性遺伝子の一塩基多型は治療効果、毒性ともに、影響を及ぼすことが明らかになってきている。
©Nankodo Co., Ltd., 2007