腫瘍内科診療データファイル
化学療法・放射線療法 化学療法の副作用とその対策
石塚 賢治
1
,
田村 和夫
1福岡大学病院 腫瘍・血液・感染症内科
キーワード:
嘔吐
,
悪心
,
下痢
,
抗腫瘍剤
,
腫瘍
,
神経系疾患
,
心臓疾患
,
性腺機能低下症
,
肺疾患
,
白血病
,
皮膚疾患
,
骨髄抑制
Keyword:
Antineoplastic Agents
,
Diarrhea
,
Heart Diseases
,
Hypogonadism
,
Leukemia
,
Lung Diseases
,
Nervous System Diseases
,
Neoplasms
,
Nausea
,
Skin Diseases
,
Vomiting
pp.1089-1096
発行日 2007年12月1日
Published Date 2007/12/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2008061396
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癌化学療法の治療成績の向上には、十分な支持療法・副作用対策が必須である。白血球(好中球)減少は、感染症発症のリスクを伴う。顆粒球コロニー刺激因子(G-CSF)製剤をはじめとする白血球増殖因子と抗菌薬・抗真菌薬のエビデンスに基づいた適切な使用が必要である。悪心・嘔吐は、使用する抗癌薬の惹起する悪心・嘔吐のリスクによって、5HT3受容体拮抗薬や副腎皮質ホルモン薬を適切に使用する。今後使用可能になるNK1受容体拮抗薬による遅延性嘔吐の抑制は、癌患者のQOL向上と治療計画の完遂に貢献すると考えられる。肺毒性・心毒性・神経毒性・皮膚障害に対しては確立した治療法はないが、用量依存性に毒性が発現する薬剤では一定の総投与量を遵守する。
©Nankodo Co., Ltd., 2007