甲状腺疾患 診療スタンダードと新たなチャレンジ
ヨード摂取と甲状腺疾患
岡村 建
1
,
藤川 潤
,
萬代 幸子
1九州大学 医学研究院病態機能内科第二内科
キーワード:
Thyrotropin
,
海藻
,
甲状腺疾患
,
食物
,
ヨウ素
Keyword:
Food
,
Iodine
,
Seaweed
,
Thyroid Diseases
,
Thyrotropin
pp.861-864
発行日 2007年11月1日
Published Date 2007/11/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2008056075
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ヨードは甲状腺ホルモンの材料として必要である。私たちの身体は約10~20mgのヨードを含み、毎日100~200μgが尿・便中に失われる。必要量が補えないヨード欠乏地域では甲状腺機能低下をきたし、胎児・小児に深刻な発育障害を生じる。日本ではむしろ昆布摂取などによるヨード過剰が問題で、Wolff-Chaikoff効果による甲状腺内のヨード有機化障害で、可逆性機能低下をきたすことがある。甲状腺癌のアイソトープ治療前には十分なヨード制限が必要であるが、それ以外に不必要な厳しいヨード制限を指示することは避けたい。
©Nankodo Co., Ltd., 2007