分子標的療法時代の白血病治療 絨毯爆撃から狙い撃ちへ
標準治療法の変遷 分子標的療法は何を変えようとしているのか? 慢性骨髄性白血病
薄井 紀子
1
1東京慈恵会医科大学 内科学(腫瘍・血液)
キーワード:
嘔吐
,
下痢
,
白血病-BCR-ABL陽性慢性骨髄性
,
薬物抵抗性
,
bcr-abl融合タンパク質
,
Imatinib
,
Dasatinib
,
Nilotinib
,
分子標的治療
,
骨髄抑制
Keyword:
Dasatinib
,
Imatinib Mesylate
,
Diarrhea
,
Drug Resistance
,
Vomiting
,
Leukemia, Myelogenous, Chronic, BCR-ABL Positive
,
Fusion Proteins, bcr-abl
,
Molecular Targeted Therapy
,
4-methyl-N-(3-(4-methylimidazol-1-yl)-5-(trifluoromethyl)phenyl)-3-((4-pyridin-3-ylpyrimidin-2-yl)amino)benzamide
pp.260-266
発行日 2007年8月1日
Published Date 2007/8/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2008003456
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慢性骨髄性白血病(CML)の治療の発展は、分子標的療法におけるサクセスストーリーである。CMLの病因に深く関与するBCR-ABLチロシンキナーゼ阻害薬であるimatinib治療は、CMLのすべての病期で、優れた血液学的、細胞遺伝学的、そして分子遺伝学的効果を発揮した。しかし、主として進行期CMLでは、imatinib治療に抵抗性(耐性)となる患者は多数であり、その多くは、BCR-ABL結合部位の突然変異が原因である。imatinib耐性CMLの克服には、imatinibの増量、同種造血幹細胞移植療法のほかに、dasatinibやnilotinibなど新規のキナーゼ阻害薬の有効性が示された。さらに多くの分子標的薬が開発され、CMLの予後の向上に貢献している。
©Nankodo Co., Ltd., 2007