分子標的療法時代の白血病治療 絨毯爆撃から狙い撃ちへ
標準治療法の変遷 分子標的療法は何を変えようとしているのか? 急性前骨髄球性白血病
恵美 宣彦
1
1藤田保健衛生大学 医学部血液内科・化学療法科
キーワード:
Tretinoin
,
白血病-前骨髄球性
,
Tamibarotene
,
Gemtuzumab
,
分子標的治療
,
三酸化ヒ素
Keyword:
Leukemia, Promyelocytic, Acute
,
Tretinoin
,
Molecular Targeted Therapy
,
Arsenic Trioxide
,
Tamibarotene
,
Gemtuzumab
pp.250-253
発行日 2007年8月1日
Published Date 2007/8/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2008003454
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急性前骨髄球性白血病(APL)は、汎血球減少、播種性血管内凝固症候群(DIC)の合併など独特の臨床像をもち、特定の染色体異常から分子生物学的な解析が進み、よく理解されている白血病の一つである。治療薬は、分子標的治療薬であるレチノイン酸から、ヒ素まで興味ある薬剤が主体となる。PML/RAR-αキメラ蛋白を分子標的として、分化抑制を解除することが作用機序とされるレチノイン酸の登場により、生存率は改善し、患者QOLも以前より明らかによくなっている。分子標的治療薬の効果と限界を紹介し、今後の治療戦略を考察する。
©Nankodo Co., Ltd., 2007