発行日 2007年2月1日
Published Date 2007/2/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2007121195
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44歳女。下痢と下腹部痛を主訴とした。血液検査で炎症所見、クレアチニンホスホキナーゼおよび脳性ナトリウム利尿ペプチドの上昇を認め、心電図ではI度房室ブロック、右脚ブロック、右軸偏位の3枝ブロックを認めた。心カテーテル検査では左室駆出率38%と低下しForrester II群の心不全状態であり、99mTcピロリン酸シンチグラフィーでは心臓に一致して取り込みを認めた。臨床的に感冒性胃腸炎に伴った急性心筋炎と診断し、利尿薬、血管拡張薬の持続点滴、酸素投与にて心不全は軽快した。また、入院時より斧状顔貌と若年性白内障を認めたため神経学的診察を行った結果、筋緊張性ジストロフィーと診断した。第28病日に左室壁運動は著明に改善したが、発症後6ヵ月経過して3枝ブロックは悪化も改善もしていない。心内膜心筋生検では心筋炎の組織像と一致する一方、心筋症の可能性も示唆された。
©Nankodo Co., Ltd., 2007