びまん性肺疾患 病態に基づいた最新治療
さまざまなびまん性肺疾患の今日的診療 肺胞微石症の成因と治療
萩原 弘一
1
,
立花 暉夫
1埼玉医科大学 呼吸器内科
キーワード:
イオン交換樹脂
,
Etidronic Acid
,
吸入投与
,
Sodium-Phosphate Cotransporter Proteins
,
肺胞微石症
Keyword:
Administration, Inhalation
,
Ion Exchange Resins
,
Etidronic Acid
,
Sodium-Phosphate Cotransporter Proteins
pp.287-291
発行日 2007年2月1日
Published Date 2007/2/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2007121180
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肺胞微石症は、肺胞腔にリン酸カルシウムを主成分とする微石が出現、間質に慢性炎症が生じ、徐々に呼吸不全にいたる常染色体性劣性遺伝疾患である。劣性遺伝疾患遺伝子の同定には、以前よりhomozygosity mapping法が使用されてきた。われわれは、同法をゲノムワイドSNPデータ用に改良した、ホモ接合指紋法(homozygosity fingerprinting)を用い、3名の患者から肺胞微石症責任遺伝子を同定した。責任遺伝子(SLC 34 A2)はII型肺胞上皮細胞に特異的に発現する、II b型ナトリウム依存性リン運搬遺伝子であった。肺胞の表面は、リン脂質を主成分とする表面活性物質に覆われている。老廃表面活性物質は肺胞マクロファージに貪食、消化されたあと、II型肺胞上皮細胞表面のSLC 34 A2蛋白により肺胞腔内より除去される。肺胞微石症では、同機能の欠損で蓄積したリンがカルシウムと結合し、微石が生じると考えられる。
©Nankodo Co., Ltd., 2007