インフルエンザ診療の新展開 パンデミックを視野に入れた戦略
診療の実際 現場で遭遇する諸問題 インフルエンザ脳症とその治療指針
細矢 光亮
1
1福島県立医科大学 小児科
キーワード:
インフルエンザ-ヒト
,
診療ガイドライン
,
治療成績
,
脳炎-ウイルス性
Keyword:
Influenza, Human
,
Treatment Outcome
,
Practice Guidelines as Topic
,
Encephalitis, Viral
pp.816-820
発行日 2006年11月1日
Published Date 2006/11/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2007076259
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インフルエンザ脳症は、主に5歳未満の小児に多発する重篤な疾患で、死亡および重度後遺症を合わせると、その率はおおよそ50%になる。本症の病態は、高サイトカイン血症に伴い全身の血管傷害をきたしたもので、このため重症例では脳症に多臓器障害を併発すると考えられている。小児診療に携わる医療従事者のみでなく、小さな子どもをもつ親の関心も高く、厚生労働省インフルエンザ脳症研究班において、「インフルエンザ脳症ガイドライン」が作成された。本稿においては、まずインフルエンザ脳症について概説し、次にインフルエンザ脳症ガイドラインに沿って治療指針を示した。
©Nankodo Co., Ltd., 2006