発行日 2003年5月1日
Published Date 2003/5/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2003233248
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33歳女.意識障害,発熱を主訴とした.再度の転院後,なお呼吸状態不良のため気管内挿管し,人工呼吸管理とした.項部硬直を強度に認め,髄液所見よりウイルス性の髄膜脳炎と診断した.意識レベルはJCS200程度から,なかなか改善傾向を示さなかった.また,下痢を頻回に認め栄養および水分補給が不十分なため,高カロリー輸液を併用した.連日39℃以上の発熱が続き,低下傾向を認めないため,各種培養検査を施行し,抗生物質・抗ウイルス薬の投与を行った.第12病日の髄液のウイルス分離培養によりインフルエンザAH3(香港)型が検出されたため,インフルエンザウイルスによる髄膜脳炎と診断した.人工妊娠中絶,気管切開術を施行した.その後,体温は徐々に低下し全身状態は安定化した.自発呼吸をほとんど認めなかったため,呼吸器からの離脱は不可能であったが症状は固定化したので,リハビリテーション目的で第243病日に転院した
©Nankodo Co., Ltd., 2003