発行日 2006年5月1日
Published Date 2006/5/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2006186474
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近年の症例の蓄積により,脳静脈血栓症は以前ほど予後不良な疾患ではないことが明らかになり,早期の診断・治療がますます重要となってきている.脳静脈血栓症の原因として,かつては感染症によるものが多かったが,近年では血栓形成傾向など多岐にわたる要因が明らかになる一方で,依然として15~30%の症例では原因が不明である.脳静脈血栓症に特有な症状はないが,頭痛,痙攣,意識障害などが多くみられる.CTやMRI,MRVなど非侵襲的な検査により,脳静脈血栓症の確定診断が可能になってきている.脳静脈血栓症の治療として,heparinによる抗凝固療法の有効性が指摘されているが,近年では血栓溶解療法についても有効性を示す報告が散見される
©Nankodo Co., Ltd., 2006