発行日 2005年7月1日
Published Date 2005/7/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2005251859
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CAPD腹膜炎は接続システム改良に伴い減少傾向にあり,近年の本邦での発症頻度は3~5年に1回程度である.原因は透析バッグ交換時の皮膚常在菌の混入が主と考えられ,起因菌の50%以上はグラム陽性菌である.次いでグラム陰性菌の頻度が高く,真菌,結核菌も原因になりうる.診断の契機はCAPD排液の白濁であり,通常腹痛を伴うが,排液白濁が唯一の所見のこともある.CAPD排液中の100m/μl以上の白血球増加は,自覚症状がなくても腹膜炎の可能性を考慮する.早期の治療が重要なため,排液を細菌培養検査に提出後,ただちに抗生物質治療(経験的初期治療)を開始する.起因菌が同定された場合は,感受性を考慮して治療薬を調整する
©Nankodo Co., Ltd., 2005