発行日 2005年3月1日
Published Date 2005/3/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2005108044
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膠原病の診療に携わる多くの臨床医は経年的に膠原病患者数の増加の印象をもっている.膠原病の患者数,その変動を解析するために本邦では各種疫学データが存在する.国家的プロジェクトとして厚生労働省研究班により精度の高い疫学調査が実施されてきた.その中には世界ではじめて実施された疫学調査もある.厚生労働省患者調査,人口動態統計,特定疾患医療受給者調査,日本病理剖検輯報などは臨床疫学的に有用な資料である.本邦膠原病の発症率,罹患率,真の有病者率(有病者数)などはいずれの資料からも導き出すことは困難で,多くは受療率(受療患者数)が推計されている.一部の膠原病を除いて,主な膠原病ではすべてが経年的に着実に患者数の増加がみられる.患者数のおおよその頻度とその変動を認識することは,膠原病患者の適切な管理に重要である
©Nankodo Co., Ltd., 2005