発行日 2004年12月1日
Published Date 2004/12/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2005080086
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72歳男.息切れ,食欲不振を主訴とした.62歳時に関節リウマチを発症し,70歳からmethotrexate(MTX)低用量パルス療法を施行され,約2年間寛解を得ていた.2ヵ月前から主訴が出現し,ヘモグロビン(Hb)が5.5g/dlに低下していた.入院時,汎血球減少を認め,貧血は大球性であった.また,直接ビリルビン,LDHの上昇を認めた.MTX血中濃度は中毒域にはなかった.骨髄検査で巨赤芽細胞を多数認めた.MTXの葉酸代謝拮抗作用によって巨赤芽球性貧血となり,汎血球減少を来していると考えられた.活性葉酸12mgを6時間ごとに4回筋注したところ,白血球は速やかに回復した.しかし,Hb,平均赤血球容量(MCV),血小板数の回復は遅れた.第13病日にビタミンB12の不足が判明し,mecobalamine500μgを隔日で3回筋注した.その後Hb,血小板は速やかに増加し,MCVの減少も確認された.退院2ヵ月後,血算は正常化した
©Nankodo Co., Ltd., 2004