発行日 2003年3月1日
Published Date 2003/3/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2003200428
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50歳男.腹痛,血便を主訴とした.ネフローゼ症候群,心不全,皮膚の紫斑,消化器症状などの多彩な症状を示していたが,下部消化管内視鏡検査において,糜爛,潰瘍,出血が認められ,生検でアミロイド沈着が証明された.続発性アミロイドーシスの原因となる基礎疾患は認められず,抗AA抗体にも反応しないことや,血中・尿中にBence-Jones蛋白が存在することから,沈着アミロイドは免疫グロブリンの軽鎖を前駆蛋白とするアミロイドと考えられ,骨髄像や骨X線像で多発性骨髄腫が否定的であることにより,原発性アミロイドーシスと診断された.H2ブロッカー,抗コリン薬,整腸薬の投与を行ったが症状は改善しなかった.Bence-Jones蛋白を抑制する為,melphalan,prednisoloneの併用療法を開始したが,腹部症状の改善は認められなかった.急性腎不全を発症して以後は血液透析を施行していたが,突然心停止をきたして死亡した
©Nankodo Co., Ltd., 2003