発行日 2004年5月1日
Published Date 2004/5/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2004219800
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66歳女.感冒様症状で内服,点滴加療を受けたが,掻痒を伴う発疹が出現し,血液検査で肝機能障害を認めた.意識性目,眼球結膜黄疸を認め,皮疹は認めず,腹部は平坦・軟で肝脾は触知せず,胆道系酵素の著明な上昇を特徴とする肝機能障害を認めた.HCV抗体は低力価陽性,HCV-RNAは850KIU/ml超と高ウイルス量を示し,他のウイルスマーカーや自己抗体は陰性であった.血清学的にC型急性肝炎と診断したが,薬剤性肝障害の関与も否定できず,肝庇護約の内服で経過をみたところ,退院4週間後の採血で肝機能増悪を認め,入院した.C型肝炎の慢性かが危惧されたため,インフォームド・コンセントのもと,インターフェロン療法を施行し著効した.初回入院時は胆道系酵素優位の肝機能障害,2回目の入院時は,トランスアミナーゼ上昇が主体と病態が異なっていたことから,C型急性肝炎に薬剤性肝障害が重なったと考えられた
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