発行日 2015年4月1日
Published Date 2015/4/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2015218965
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10歳女児。体育の授業中、高跳びをした際に右股関節痛が出現し、一時症状は軽快したが、発症後7週で増悪したため他院を受診し、単純性股関節炎と診断された。6週間の免荷を行い、荷重を再開したところ、再び症状が増悪したため、当科精査入院となった。単純X線正面像では右股関節裂隙の狭小化、臼蓋荷重部および大腿骨近位部の骨萎縮が認められた。MRIでは右大腿骨の近位骨端部の中央内側にT1強調像にて低信号、T2強調脂肪抑制像にて高信号の領域を認めた。血液生化学検査はすべて基準範囲内であった。以上より、特発性股関節軟骨融解症と診断し、消炎鎮痛薬の内服、患肢免荷を行い、第5病日より持続的他動運動を開始したところ、5週後には疼痛が消失し、ROMも改善したため退院となった。初診3ヵ月後に部分荷重を再開し、6ヵ月後に全荷重を許可したが症状の再燃はなく、発症後1年8ヵ月の最終観察時には右股関節痛を認めず、ROMは屈曲120°、外転40°で支障なく学校生活を送っている。
©Nankodo Co., Ltd., 2015