発行日 2011年2月1日
Published Date 2011/2/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2011125728
- 有料閲覧
- 文献概要
インフォームド・コンセントの得られた骨移植を必要とする2例から2mlの骨髄を腸骨から採取し、高純度β-リン酸三カルシウム(β-TCP)ディスク上に培養した。これを7~9週齢のsevere combined immune deficiency(SCID)マウスの背部筋層内に移植し、9週後にディスクを採取して4%パラホルムアルデヒドにより固定し、EDTA脱灰を行った後にパラフィン包埋切片を用いて組織解析を行った。更に、以前に報告した方法に準じて連続切片を用いてヒト特異的Aluプローブとマウス特異的L1プローブを用いてDNA in situ hybridizationを行った。その結果、移植後9週で2例ともβ-TCP上に直接骨形成を認めた。ヒト特異的Aluプローブ陽性細胞はβ-TCP新生骨の境界部にのみ僅かに認め、マウス特異的L1は陰性であった。また、骨内に存在する骨細胞は、マウス特異的L1プローブに陽性かつAlu陰性であった。その他、骨周囲の血管内皮細胞や線維芽細胞の紡錘型細胞は全てL1陽性、Alu陰性で、マウス由来細胞と考えられた。一方、対照として細胞を添加しなかったβ-TCPには骨形成は認めなかった。
©Nankodo Co., Ltd., 2011