発行日 2007年1月1日
Published Date 2007/1/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2007117997
- 有料閲覧
- 文献概要
73歳男性。患者は左肘関節痛と腫れを主訴とした。初診時、X線検査では軽度の変形性関節症を認めるのみで、2回の関節液培養検査では診断には至らず、対症療法にて経過観察とした。以後、改善が得られず、各種抗生物質の投与も無効で、他院にて関節内ステロイド注射を受けていた。今回、再度当科を受診し、精査加療目的に入院となった。入院時、X線では関節裂隙の狭小化、上腕骨小頭の骨破壊、嚢胞化を認め、確定診断と関節破壊の防止目的で滑膜切除術を行った。その結果、術中の組織培養ではAspergillusが検出され、病理組織学的にAspergillus性肘関節炎の確定診断が得られた。診断後、ミカファンギンナトリウムを1ヵ月間点滴静注した後、イトラコナゾール内服とし、現在、術後4ヵ月で炎症反応の再燃や関節破壊の進行はみられていない。
©Nankodo Co., Ltd., 2007