発行日 2007年9月1日
Published Date 2007/9/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2007308721
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58歳男。右手指のしびれと痛みを主訴とした。約30年前に詳細不明の外傷を受け右手関節の痛みと可動域(ROM)制限があったが放置していた。初診時、右手関節ROMは他動運動にて掌屈15°、背屈10°と著明に低下し、Cooneyらによる手関節機能評価点数は40点であった。運動神経伝導速度は右正中神経遠位潜時が著明に延長し、右正中神経感覚神経伝導速度は測定不能であった。X線像において月状骨は著明に変形して周囲手根骨より掌側への脱臼位にあり、MRIでは偏位した月状骨が手根管を圧迫していた。陳旧性月状骨周囲脱臼による正中神経障害の診断で手術を施行し、月状骨の部分切除を行った。術後正中神経領域のしびれ、疼痛は改善し、Cooneyによる評価点数も60点まで改善した。
©Nankodo Co., Ltd., 2007